三重県の大安町に石榑(いしぐれ)という所があります。山あいにあると言ったら失礼かもしれませんが、
山を越えたら、すぐに滋賀県の琵琶湖が見えるようなところです。そこに石榑道場という100年以上も
続く道場があります。なんでも、その頃、柔道修行をしていた寺の住職が始めたそうです。
おそらく、明治の後半から大正初期に創られたと思われますが、嘉納治五郎師範が講道館を
浅草の永昌寺で創設したのが明治15年から、嘉納師範存命の30年以内に柔道を修行していたお坊さんが
大安町にいたと言うのは、素晴らしい伝統ですね。
(写真は、嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センターより転載)
(石榑道場史は、土地の古老の語りで、書物に残っているわけではないのではっきりした記録はないそうです。)
この道場のすばらしさは、伝統だけではないのです。指導環境がとても良いのです。
指導は、伊藤典明師範(実は、私の高校の後輩で、高校時代からの知り合いです)
伊藤師範は、この道場で子どもの頃から学び、中学で柔道、高校で柔道、その後、日体大に
進まれました。人生のほとんどを柔道で過ごしています。大学卒業後、師範は三重に戻り、
中学校・高校の教員になられました。またまた、柔道一直線ですね。
七年前に、実家のお茶屋さんを継ぐために、教員を辞められたそうです。
その後は、社会教育としての「柔道教育」を続けられているそうです。
なんと素晴らしいことでしょう。柔道に「心から感謝」しているからできるのですね。
そして、この道場の指導者は、みんなこの道場で育ったOB・OGが、子どもの指導に見えているそうです。
こんな「手厚い指導」をうけられるなんて、すごい!!というレベルです。
指導者の皆さんは、普通にサラリーマンをしていたり、自営業をしていたり、学生であったり、そんな多様
な方々です。子どもは、年少さんから中学生、高校生まで異なる年齢がたくさん集まっています。
ですから、「たてわり教育」ができるわけです。そこでコミュニケーションを自然に学ぶのですね!
保護者の道場教育へのサポートも素晴らしいそうです。
(写真は、子どもの礼に合わせて姿勢を正す保護者の写真です。)
道場の施設は、ほぼ保護者からの寄付や支援によって、作られたそうです。
柔道教育のすばらしさを「確信」したのですね。
子ども達は、どんな小さな子どもでも、率先して、畳を片付けます。
私とアメリカ人の友人も、蹴り技と古武術をちょっとだけ、指導させて頂きました。
大安町の石榑は、のんびりした環境です。
このような環境で、たっぷり大人の愛情を受け取った子どもは、本当に良い子になりますね。
このような武道文化が、ずっと続いていくことを、心から願っています。
伊藤師範、指導者の皆様、保護者の皆様、『本当に、ありがとうございました!』
コメント
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そして100年も‼︎ よほど指導者や環境が良くないと続かないですよね⁉︎
保護者の方の姿勢を正して一緒に礼をするところは、自然に出てきた感じでしょうか。
こう言う道場はいつまでも続いて欲しいですね。
こういう場所が、広がっていけばいいですね!